美佐野様より

美佐野さんより、素敵なSSを頂きました!
ミネオリフェス2022でエアSSにリクエストさせてもらい、そのとき書いてくださったSSですv
以前ブログで飾らせていただいていたのをサイトにも飾らせていただきます♪

『じつは主人公のこと可愛いなって思ってるけど内緒にしているホアンさん(結婚前)』
というテーマでおひとつお願いしました



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 たとえば、独楽鼠のようにくるくるせわしないところ。
 たとえば、魔法のリュックにぱんぱんにアイテムを詰めているところ。
 たとえば、各種行事に出ては見事に惨敗してしょげているところ。
(カワイイ人よね)
 高速で林檎を入替ながら、ホアンは何度目か判らない感想を胸中で繰り返す。
 目の前には牧場主クレアその人がいて、真剣な眼差しでホアンの手元を覗き込んでいる。単なる暇つぶしのゲームに一生懸命な様子を、はじめ、変な娘としか思っていなかった。
「えっと……コレ!」
 クレアは元気よく、左の林檎を指す。
「ファイナルアンサーね?」
「モチ!」
 自信たっぷりに笑っているが、それは外れだ。あーあ、と肩を落として牧場に帰っていくクレアに、ホアンは目を細める。
 翌日も、その翌日も、台風や大雪で外に出られない日を除き、クレアは毎日ホアンのところにやってきた。変なものを売り付けに来るかと思えば、もぎたてのリンゴや蜜柑をタダでくれる日もあった。そしてゲームに興じて、一喜一憂を繰り返すのだ。
「まあ、よくも毎日付き合ってやるもんだな」
 ザクがどこか呆れた様子で呟く。
「当然ね。彼女はうちのお得意さんよ」
 それ以上でもそれ以下でもない。可愛いと思っていることを、告げるつもりもない。
 街の人気者であるクレアがここに来るのは、単に、林檎ゲームの賞品目当てだ。自分は自分で、彼女が姿を見せる度に、ゲームに付き合いながら、彼女の可愛さを密かに堪能できればそれでいい。
――と思っていたのに。
 とある冬の日の朝、ホアンはクレアの自宅の前に立っていた。手には、青い羽根。数日前、雑貨屋に並んでいたとザクが教えてくれた。クレアがそれに興味を持った様子であったことも。
 聞いた瞬間、ホアンは雑貨屋に駆け出し、青い羽根を奪うように買ってしまった。
 決して、彼女を独り占めしようとしたわけではない。あくまで売るため。30,000Gの高値で売りつけるために、ここに立っているんだと、ホアンは心の中で繰り返した。

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ホアンさん好きな方はご存知なのかもしれないのですが、
美佐野さんは800字詰原稿用紙のセットの中でもホアンさんのでてくるSSを書いていらっしゃいまして
そちらでは一筋縄では攻略できないホアンさんがとても魅力的なんですよ…!

でも、今回ホア→クレで書いていただいて!まさしくリクエストどおり!!
物書きさんって、美佐野さんってすごいや!と改めて実感しました^^
小説はとくに読み手によって感じ方が変わるのでここで感想を多くは語れないのですが、、
関係が変わらなくていい、と思っていたところからの展開がすばらしいと思いました…!

エアSS、お願いしてほんとうによかったです><////
美佐野さん書いていただきありがとうございました!大切にします!

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ホアンさん視点でホアンさんの思考がわかると思いきやそうはさせない感、
ホアクレに限らず美佐野さんならではのお話の紡ぎ方がすごく好きです!どうだいいだろう!!




2022/05/25 up
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