ユリ主小説もどき



あんまり寒いので何か思いついてしまったよ
小説もどきにしてみたけど、いつかは漫画にしたいもんだ!^^
両片思いっていいよね☆

由多に文才はないけどそれでも見るよって方は海のように心が広い人に違いない(断言



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はああ。
もうもうと、白くなった空気が、煙のように視界を遮る。


冬は特に、ため息をつかないようにしていた。
自分の溜まった疲れが目に見えるようで嫌だったからだ。
それでも、今日ばかりはため息をつかずにはいられなかった。


「約束…していたのに」

コレットさんと、ディルカと3人で食事をする約束だった。
こんなに雪が降らなければ、地面が凍っていなければ間に合ったのに。

約束どおりに料理を用意していたとすれば、とっくに冷め切ってしまったことだろう。
止まったバスの中で、会ったらなんていって謝ろうか、そればかり考えていた。


バスがようやく『そよ風タウン』についても足取りは重く、
しんしんと降る雪の中をトボトボ歩いていた。

きっと今は、二人きりだ。帰りづらい…

コレットさんの邪魔をしたくない。
きっと彼女も望んでいると思う。…ディルカもきっと。

3人で食事をしようといったのは彼女だった。
でも、ディルカの兄だとしても、ここで空気を読まないでどうする。

「夜も遅いし、メリナさんのお店も閉まってますよね…」

何かと相談に乗ってくれるフレイヤさんのことも頭に浮かんだが、
やはり女性の家を夜遅くに訪ねるのは宜しくないと判断した。

仕方がない、また川辺で物思いにふけようかな。


はああ。
またも、もうもうと視界を遮る。

と、遮る視界の先に人が立っているのが見えた。足が止まる。

「…コレットさん」

明かりもなく顔も見えないくらい遠い場所にいるのに、
どうしてか名前を呼んでしまった。

そして、僕の声も聞き取れないくらい遠い場所にいるのに、
どうしてかこちらに気づいてしまった。

「あ、ユリス!」

間違いなくコレットさんだった。

コレットさんだと分かった瞬間、考えていた色んなこと、

…具体的に挙げるとすれば約束を破ってしまったどうしよう、
二人は今どうしてるんだろう家に帰りたくない、どこか寄ろうかそうだ川辺行こう―

など諸々その他がどこかへ飛んでいってしまった。


コレットさんがいる。
それだけが頭の中を占領した。

はああ。
さっきより白んでより視界が遮られる。
ため息じゃない、これはなんだろう?


雪の上を走ってこちらに駆けてくる。

「おかえりユリス!」

どうしてこんな所にいるのですか?
ディルカはどうしたのですか?
今まで僕を待っていたのですか?

訪ねるより先に、僕は駆けてきたコレットさんを抱きよせていた。


思いもよらない僕の行動にコレットさんは動揺しているらしかった。

「ユリス?」

遠慮がちに名前を呼ばれて、一瞬、我に返る。
このあと僕はどうするつもりなんだろうか。

僕はゆっくり、確かめるように、彼女を抱きしめたまま息をついた。

はああ。
ため息じゃない、これは―




2011/12/19 up
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