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ホアンさんはそんな人じゃないです!/SSもどき



ミネオリ4コマ用のイメージイラスト、
のつもりだったんだけどSSもどきもつけてみた^^

若手記者と、牧場主と、その夫の話。

由多は文才はないので文章ヘンかもですが、それでも読んでくれる方がいたら
きっと特集ページで取り上げられちゃうほど優しい人に違いない^^

あと大人ってほどでもないけどちょい口が悪い感じです



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午前に30分だけ、サラさんは牧場の経営つながりで頼まれた雑誌の取材を受けることになっていた。
はたらく女性の暮らしを記事にするそうで、一応ホアンさんも同席してほしい、と彼女から要望があった。
それは何の問題もなくわたしも了承した。それから記者を名乗る若い男がやってきて―そう、途中まではよかった。


「ねえ、あなたの奥さん、いくらぐらい稼いできてくれるんですか?遊んで暮らせるなんて羨ましいです」
「顔もスタイルもいい奥さんだと、毎晩楽しいでしょう?ほんとにいいなぁ」

仕事をそばで支える夫からもひと言をと、わたしも取材を受けることになったとおもえばこれだ。
サラさんが台所へ向かったスキを狙ってこそこそニヤニヤする男に、心の中で舌打ちする。


(クソガキ。礼儀しらずもいいところね)


サラさんの仕事に関わる相手でなければ、話す価値なしと切り捨てるところなのだが、
忙しい中20分、先に彼女は誠実に取材に応えている。わたしが無駄にするわけにはいかない。


己の本分を忘れた男の低俗な質問を、適当に受け答えしながらわたしはサングラスをあげ直す。
合間にちらりと時計を見ると、まだ3分。ということは、あと2分。



(まあいいある。きっちり5分答えてやったら、謝礼もきっちりせしめてやるね)



が、ふいに腕を力強くつかまれその予定は狂うと直感した。
もどってきたサラさんの顔は、怒りに満ち満ちている。
今朝きたばかりのこの男は知らないだろうが、彼女は耳がいいのだ。


「…ホアンさんが受け流してたから私も我慢してたけど!もう限界です!
さっきから何なんですか!?ホアンさんをばかにしないで!」


ああ、あと20秒くらいだったのに。

そして腕をつかまれたままのわたしは、勢い任せて『ホアンさん像』を説く奥さんと、
完全に委縮して青ざめるばかりの若手記者を見物するしかすることがない。

―しかしこの『ホアンさん像』は思いのほか面白い。


(…あーそんなこともあたね。なつかしいある)
(ええ?サラさん、それはちょっと美化しすぎね…ふふ。)


面白いので、成り行きを見届けることにする。


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ヒモだと思ってた若手記者と、勘違い甚だしいと憤る牧場主と、
仕返しする気がすっかり失せたその夫^^




2022/02/23 up
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