わかっていても
短編漫画『ホア恋後日談~花火大会編~』のイメージイラスト~のつもりがSSもどきまででけたので一緒にのせる^^
しかし由多には文才はないので文章ヘンなとこあるかもですが
それでも読んでくれたならきっとスターマインのように大きい心の持ち主に違いない
「えっ!」
サラさんの一声は、もっとその話題にふれてほしい、と言っているようなものだった。
客を買う気にさせるツボを見つけた屋台の店主も、ここぞとばかりに同じところをついておだてはじめる。
だから長居はだめだといったのに。
まあ、サラさんがこうなるのは仕方ないことだけど。
わたしはあの町に馴染むつもりはなかった。
牧場主と、行商人。町の貢献者と、怪しい居候。
心から祝福する住民もいないと思って挙式にも人を招かなかった。
『お似合いね』『幸せそうね』…あの日彼女がほしかった言葉にちがいない。
今のサラさんにはその後に続く「ペアといえばこんなセット商品が」なんてセールストークも、もはや同じ意味に聴こえるのだろう。
―まったくサラさん、この店主はじめは「女子旅かい?」って声かけてたね?まんまとひっかかってるある。
「サラさ~ん?」
追加でどんどん買ってしまいそうなのでたしなめるように奥さんの名前を呼ぶと、
サラさんはやっと我に返り、それから困った顔してこちらを見つめた。
支払いはその時然るべき者が。
わたしたち夫婦のきまりごとの1つで、ここではわたしがサイフの紐を握っている。
だからお人好しなサラさんに目をつけて、店主がどんなに買わせようとしたところで主導権はわたし。
けれど。
「ホアンさん、欲しい…だめですか?」
袖をちょい、と引きながらこんな風ににねだられては。
ふと会ってまもないサラさんを思い出す。
ぼったくりとわかっていながら買っていたりんご。
なるほど、こんな気分ね?
抗えないな、と手元のサイフを広げた。
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だめ?と聞かれたらだめと答えるけど、
欲しいけどだめ?と聞かれたら全然おっけーなホアンさんは愛妻家^^
2021/09/15 up